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【SVシングルS15】鮭熊トリックルーム【レート2015】

SVランクバトルシングル・シーズン15で使用した構築の紹介です。

 

 

 

戦績

TN:めいろ(メインロム)

最高レート:2015.630

最終レート:同上

最終順位:350位

 

TN:つみき(サブロム)

最高レート:2007.380

最終レート:1900ちょい

最終順位:1000位台

 



 

構築経緯

環境の中心にいるBIG6系統の対面構築に対してトリックルームが刺さっていると思い、トリルパを組むことにしました。

BIG6系統の中核であるハバタクカミ・パオジアン・ウーラオスなどのポケモンは高い素早さによる行動回数の確保を強みとしていますが、耐久は並み程度であり一撃で倒すのもそこまで難しくありません。これらの高速アタッカーに対して、トリルで先制権を奪い、必殺級の高火力を叩き込んで何もさせずにノックアウトする、というのが今回目指すポケモンバトルです。

先制で殴る手段は、S上昇の積み技や追い風なども候補に挙げられますが、規格外のSを誇るブーストエナジーハバタクカミに真っ向から素早さ勝負を挑むのはなかなかしんどいものがあります。
反面、トリルは展開さえできれば簡単に高速アタッカーの上を取れますし、努力値・持ち物・特性等のリソースを素早さに割かずに済むので火力・耐久の底上げも可能です。
またステラ実装で新型が登場し対処がますます難しくなったハバタクカミに対して、ラスタルに依存しない切り返しを行える点も強みの一つと言えるでしょう。

以上がトリックルームを主軸に決めた理由となります。

それではポケモンの選定に移りましょう。

 

 

まずトリルエースとして、火力・技範囲ともに申し分のないアカツキガチグマを採用しました。

 

 

次はガチグマのサポート要員の選定です。

コンセプトであるトリックルームは当然必須。

またガチグマを通すにあたり、きあいのタスキやマルチスケイルなどの行動保証要素が障害になるため、これらを無効化するステルスロックも採用したいです。

というわけでトリルとステロを両立できるポケモン一覧を眺めた結果、サケブシッポが採用されました。

なおトリル役とステロ役を別々で用意する案については、構築枠と選出枠が圧迫されてしまうことを懸念して見送っています。

この時点で、

サケブシッポが場作りしてから退場→ガチグマ無双

という一方通行なフローが出来上がりました。

 

 

サケブシッポ→ガチグマ展開を63シングルの選出に組み込もうとすると、

①先発サケブシッポ + ガチグマ + ラス1締め要員

②先発要員 + サケブシッポ + ガチグマ

といった形が考えられます。

どちらもアリですが、①はサケブシッポに相手を倒す能力がほぼ無い関係でガチグマ繰り出し時の相手残数が3匹であることが多く、交代受けなどを駆使してトリルターンを枯らされる可能性が高いです。

一方②は、対面性能が高い先発要員で相手を1匹以上倒しておくことで、ガチグマ繰り出し時の相手残数を2匹以下にでき、交代受けを含む相手の行動の選択肢を①より減らすことができます。

以上から選出は②の形を基本とし、先発要員には対面性能が高い襷コノヨザルを採用しました。

 

基本選出が出来上がったので続いて残りの枠を考えていきます。

 

 

トリルガチグマが不利を取る主な相手は、

 

・ディンルー・カイリュー・サーフゴー系統

ディンルーがワンパン不可。サーフゴー対面で交代&テラス択を迫られて不安定。

 

ハッサム入りサイクル

タイプ的に不利で、よく一緒に組まれているチョッキランドロスや鋼テラスラティオスもきつい。

 

・浮いてる鋼および鋼テラス

ガチグマの技がいずれも半減されてしまうアーマーガア、鋼ラティアス、鋼クレセリアなど。

 

アローラキュウコンの壁展開

耐久向上によってトリル下でワンパンというコンセプトを否定される。

 

・受けループ

ハピラキをガチグマでワンパン出来ない。

 

あたりです。

サケブシッポとガチグマがトリル展開専用の構成であり、他の選出パターンに組み込むことが難しいため、コノヨザルと残りの3枠で上記の相手への対応を目指します。

コノヨザル@3でまともなサイクルを組むのは難しいと思ったので、対面指向のポケモンで固めることにしました。

また見た目でトリルパだと判別しづらい構築にしたかったため、ガチグマ以外に鈍足ポケモンを入れないよう意識しました。

 

 

ガチグマのノーマル技が通らない鋼に対して有利な炎タイプであり、コノヨザルでの処理が面倒なサーフゴーに強く、アローラキュウコンの上から弱点を突けて、崩し性能も備えているかまどのめんオーガポンを採用しました。

 

 

鋼に対して有利な地面タイプであり、ディンカイサーフに強く、受けループ相手に嵌め展開を仕掛けられる身代わりビルド型イダイナキバを採用しました。

 

ジャローダや水オーガポン、グライオンなど、コノヨザルによる1-1交換が成立しづらい速い身代わり持ちが面倒だったので、これらのポケモンに強い先発要員としてスケイルショットカイリューを採用しました。

 

 

以上でパーティ完成としました。

 

 

単体解説

ガチグマ

テラスタイプ:ノーマル
性 格:れいせい
特 性:しんがん
実数値(努力値):219(244)-×-140-205(252)-87(12)-51(個体値0)
持ち物:いのちのたま
技構成:ブラッドムーン/だいちのちから/ハイパーボイス/はかいこうせん

 

本構築のエースです。

トリル下での制圧力がとにかく凄まじく、残数1-3からでも平気で捲ったりします。

特に対BIG6系統はステロを絡めるとほとんどのポケモンを一撃で倒すことができ、唯一ワンパンできないディンルーも全盛期よりは採用率が落ちていたため、環境的に追い風が吹いていたかなと思います。

型で特筆すべき点として、連発できないブラッドムーンの欠点を補うべくはかいこうせんを採用していました。疑似的にブラッドムーンを2連続で撃てるようになり、抜き性能が格段に向上しています。
あとステロが入った無振りの鋼テラスカイリューに対して、テラスブラッドムーンだと62.5%の乱数1発のところが、テラスはかいこうせんだと93.7%の乱数1発になります。そのためテラスタル権が残っているラス1カイリューには、ブラッドムーンが撃てる状況でもはかいこうせんを撃っていました。今の鋼テラスカイリューはASぶっぱが多い印象であり、実際鋼テラスを切られてもほぼワンパンできていました。

7thの眼鏡テテフや8thの鉢巻ウオノラゴンを彷彿とさせる火力バカで、使ってて爽快で非常に楽しいポケモンでした。

 

 

サケブシッポ

テラスタイプ:みず
性 格:なまいき
特 性:こだいかっせい
実数値(努力値):221(244)-×-134(116)-85-169(148)-117
持ち物:メンタルハーブ
技構成:ミストバースト/ステルスロック/トリックルーム/アンコール

<調整意図>

HD:C205ハバタクカミの眼鏡シャドーボールステルスロック込みで耐え
HB:A200水ウーラオスの水流連打を2耐え
S:足遅めのカイリューよりは速い(トリル下において後攻ミスバでマルスケを潰せる)

 

ガチグマのサポート要員です。
主に二番手で出し、ステロを撒いてトリルを発動してからミスバで自害してガチグマに繋ぎます。

トリルとステロを両立できるポケモンは他にエムリットアグノムユクシードータクン、メレシー、ドーブルがいますが、その中でサケブシッポを選んだ理由は2つあります。

1つ目は高い耐久性

今回のサポート要員は基本的にステロ→トリルと行動することを想定しているため、相手の攻撃を2耐えする耐久があるのが望ましいです。よって耐久ペラペラなドーブルアグノムは論外です。

2つ目は自主退場する攻撃技を覚えること

自主退場技を攻撃技にすると、先発要員で倒しきれなかったミリ残しの相手を倒したり、目の前のポケモンの襷を潰すなどしながら後続のガチグマに繋ぐことができます。これは少ないターンで敵を一掃しなければならないトリル展開においてぜひとも欲しい要素です。よって自主退場する攻撃技を覚えないエムリットユクシーは除外となりました。ドータクンは一応てっていこうせんを覚えますが、HPが半分以上残っていると1ターンで退場できないのでこちらも落選。

残った候補はサケブシッポとメレシーですが、4倍弱点がない、水流連打が等倍、トリルの印象が薄い、などの点からサケブシッポを採用しました。

テラスタイプは水。ウーラオスがテラスタルを切ってきたときやパオジアンの氷柱落としで怯んだときの緊急措置、晴れパのウガツホムラ対面での行動保証、弱点の鋼を半減にするなどが使い道です。

採用理由のとおり圧倒的な耐久があって安定感があり、当番した試合はほぼサポートの役割を完遂してくれました。

 

 

コノヨザル

テラスタイプ:みず
性 格:ようき
特 性:せいしんりょく
実数値(努力値):207(172)-147(92)-101(4)-×-110(4)-154(236)
持ち物:きあいのタスキ
技構成:ふんどのこぶし/ドレインパンチ/いのちがけ/カウンター

<調整意図>

S:準速100族抜き
HB:A200水ウーラオスのテラス水流連打(≒非テラス水流連打+アクアジェット)を耐え&よくある努力値調整のHP207(16n-1)をいのちがけでKO
A:威力50ふんどのこぶし+威力200ふんどのこぶしで無振り水ウーラオスをほぼ突破

 

先発要員です。
初手で1-1交換を仕掛け、後続の鮭熊での2on2に持ち込むのがこのポケモンの役割になります。

ゴースト×格闘とタイプ補完に優れた一致技に加え、いのちがけとカウンターによって相手のタイプや防御力に関係なくダメージを与えられるので、抜群の対面性能を誇ります。私の中で今一番熱い先発要員です。

特性は負けん気・やる気も使っていましたが、氷柱落としで怯ませてくるゴミカスキショキショつよくてかっこいい()パオジアンが死ぬほど不快だったため、最終的に迫真の精神力になりました。対応範囲が広がる負けん気・やる気に比べると効果を実感しづらい保険のような特性ですが、30%の確率で負けてしまうパオジアン対面を100%勝てるようにできると考えると採用価値は充分あるんじゃないでしょうか。

求めていた役割をきっちりこなしてくれたのはもちろんのこと、サケブシッポと並ぶと壁シッポ+ビルド猿に見えなくもないため、相手の誤認識を誘発する効果も多少あったんじゃないかなと思います。

 

 

オーガポン

テラスタイプ:ほのお
性 格:ようき
特 性:かたやぶり→おもかげやどし
実数値(努力値):155-172(252)-105(4)-×-116-178(252)
持ち物:かまどのめん
技構成:ツタこんぼう/ウッドホーン/ちょうはつ/つるぎのまい

 

補完枠その1。

ガチグマが苦手とするハッサムやディンルー、コノヨザルとサケブシッポが苦手とするサーフゴー、トリル展開を通しづらい壁を展開してくるアローラキュウコンに強いことが採用理由です。

本構築で重めな最速グライオンラティアス、受けループなどの対処も担わせたかったので、型は最速剣舞型にしました。挑発は相手のカイリューを後述のイダイナキバの起点にするために覚えさせていました。

 

 

イダイナキバ

テラスタイプ:みず
性 格:ようき
特 性:こだいかっせい
実数値(努力値):209(148)-165(108)-151-×-73-152(252)
持ち物:たべのこし
技構成:じしん/はたきおとす/ビルドアップ/みがわり

<調整意図>

S:最速(サーフゴー意識)
A:A↑1地震でB252ハバタクカミ確1
H:あまり(残飯回復効率意識の16n+1)

 

補完枠その2。
ディンカイサーフ、ハッサム入りサイクル、受けループなどの対策担当であり、相手の物理アタッカーをビルド身代わりで起点にして全抜きを狙います。

対アンコカイリューはオーガポンで挑発を入れてからビルドアップ→はたきおとすと行動すると、ゴツメ羽休めも眼鏡トリックサーフゴー引きもケアできます。

水ウーラオスをカモにするためテラスタイプは水にしていました。ママンボウ絡みのサイクルにも強くなりなかなか良い使用感でした。

 

 

カイリュー

テラスタイプ:はがね
性 格:ようき
特 性:マルチスケイル
実数値(努力値):167(4)-186(252)-115-×-120-145(252)
持ち物:いかさまダイス
技構成:スケイルショット/アイアンヘッド/ほのおのパンチ/アクアジェット

 

補完枠その3。
コノヨザルを選出しづらいとき代わりに先発を務めます。

ジャローダや水オーガポンの身代わりに強くしたかったこと、カイリューのゴツメに触れたくないことなどからスケイルショット型で採用しました。アイヘアクジェは対ハバタクカミの技になります。

持ち物については、ステロを撒かれても後発で仕事ができるようになる厚底ブーツも候補でしたが、スケイルショットを使う以上やはりいかさまダイスは手放せませんでした。

正直に言うと選出率は最下位であり、好きだから入れたマスコット枠であるというのが実情だったりしますが、最高レートに到達した試合でとてもがんばってくれたので連れててよかったなと思いました。

 

 

選出・立ち回り

・基本選出

 

ほとんどの試合はこの3匹で戦っていました。コノヨザルで1-1交換→サケブシッポで場作り→ガチグマで全抜きと言う流れです。
コノヨザルの1-1交換が成立している場合、ガチグマに残すトリルターンは2ターンでも充分なので、サケブシッポの行動は安定を取ってトリル→ステロ→ミスバでも構いません。

コノヨザルが通らないときはカイリューが先発を務めていました。

 

・裏選出

 + から2匹

 

ディンカイサーフ、ハッサム入り、ラティアス入り、受けループなど、ガチグマが通らない相手にはこちらの裏選出をしていました。イダイナキバでの全抜きルートを想定して立ち回ることが多かったです。

 

 

苦手な相手

厚底ブーツカイリュー

ステロでマルスケが潰れず、急所を除いてワンパン出来なくなります。
テラスブラッドムーンがマルスケ込みでも半分以上入るので、トリルターンが2ターン残っていれば羽アンコ択次第で突破可能です。

 

・瞑想ハバタクカミ

ガチグマが無双体勢に入る前に瞑想を2回積まれると厳しいです。1積みまでならテラスブラッドムーン圏内。

 

・痛み分け挑発ハバタクカミ

コノヨザルで突破できない&サケブシッポがステロ→トリルと行動できないため、ガチグマに充分なトリルターンを渡せなくなります。

 

・わるだくみ再生サーフゴー

コノヨザルをガン起点にされるので無理です。オーガポンにビビッて出てこないことをお祈りです。

 

・鉢巻水ウーラオス

コノヨザルがほぼ何もできずに倒されます。十中八九裏にカイリューがいるので、サケブシッポに水テラスを切ってステロ→トリルと行動し、テラスなしのガチグマで3タテできるようお祈りです。
意地ウーラとの再戦は初手いのちがけから入ってました。

 

ミミッキュ

ステロで潰せない行動保証なので無理です。

 

 

感想

基本選出はめちゃくちゃ強かったです。裏選出の出来についてはあまり納得しておらず、そこが2000止まりで終わってしまった原因かなと考えています。何かいい改善案があったらこっそり教えてください。

藍の円盤リリースでようやく育成環境がマシになったので先月からランクバトルに復帰していましたが、やっぱりポケモンは楽しいですね。今後も自分なりのペースで対戦を続けていこうかなと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。