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【SVシングル・S2】変幻自在カイリューロトム【レート2028 971位】

SVランクバトルシングル・シーズン2で使用した構築の紹介です。

順位が示す通り構築の完成度はいまいちですが、面白い型のポケモンを採用しているので、奇天烈おもちゃ自慢だと思って読んでもらえると幸いです。

 

 





構築経緯

 

 

本ルールで幅を利かせているカイリューガブリアスなどの物理ドラゴンを如何に上手く処理するかを模索したところ、不毛なテラスタルじゃんけんをせずに済む鬼火Wロトムの使用感がなかなかに良かった。これに、タイプ相性補完に優れ、鬼火を入れた物理アタッカーを詰ませる・起点にして積むという動きができるカイリューを加え、構築の軸とした。

 

 

役割上ロトムカイリューは裏から登場することが多いため、次は先発要員の選定。ロトムカイリューの足が遅く、ドラパルトやゲンガーなどSが高いポケモンを相手するのが面倒だったので、これらを上から潰せるスカーフマスカーニャを3匹目に採用した。

 

 

続いて、起点作り要員に採用されがちなポケモン(ステロガブ・デカヌチャン・キラフロル・オーロンゲ等)に対してマスカーニャがあまり強くないので、これらに強く対面性能もある程度備えている襷デカヌチャンを第2の先発要員として採用した。

 

 

ロトムサザンドラやサーフゴーといった特殊アタッカーに弱いため、これらを受けたり起点にして積んだりできるウルガモスを採用。

 

 

ここまでで、カバルドンブラッキー等のあくび展開、キョジオーンが重かったので、最後におんみつマントサーフゴーを採用。

 

以上でパーティ完成とした。

 

 

 

単体解説

 

 

ロトム

テラスタイプ:はがね
性 格:ずぶとい
特 性:ふゆう
実数値:157(252)-×-166(188+)-125-127-115(68)
持ち物:オボンのみ
技構成:ハイドロポンプ/10万ボルト/イカサマ/おにび

 

ストッパー。相手の物理アタッカーに火傷を入れるのがお仕事。

相手のカイリューに当てるのが主な使い方であり、竜舞型ならノーマルテラスタル・飛行テラスタルともに受け出しから対処可能。鉢巻逆鱗への受け出しは厳しいが、先発で鉢巻をはたき落としたり死に出しするなどでどうとでもできる。

イカサマが非常に強力で、火傷が入っても竜舞羽で粘ってくるカイリューを許さない、セグレイブを相手できるようになる、など役割を遂行する上で大きなキモとなっている。

テラスタイプはカイリューの神速、セグレイブの巨剣突撃に対する安定感を高める鋼。ただ素の状態でも役割は充分に果たせるため、1発目の鬼火を外すなどの緊急時以外は極力テラスタルを温存するようにしていた。

 

 

 

 

カイリュー

 

本記事はこいつを紹介するために書いたと言っても過言ではない。

普通の舞カイリューを使っているとき、天然(ラウドボーン・ヘイラッシャ)や浮いている鋼(アーマーガア・ドータクン)が相手パーティにいるだけで選出しづらくなるのがとてもストレスだった。
炎の渦型や特殊型を採用すればこれらの受けポケを返り討ちにできるが、代わりに竜舞を積んで全抜きを狙うというカイリューの分かりやすい強みが失われてしまう。

積みエースでありながら受けポケで止まらない型はないだろうか。
この欲張り願望を叶えるべく知恵を絞った結果、

 

このCS振り竜舞テラバーストカイリュー爆誕した。

 

テラスタイプ:ひこう
性 格:うっかりや
特 性:マルチスケイル
実数値:171(36)-154-115-165(236+)-108-130(236)
持ち物:ゴツゴツメット
技構成:テラバースト/かえんほうしゃ/りゅうのまい/はねやすめ

 

テラバーストはテラスタル時、使用するポケモンのステータスが 攻撃 > 特攻 の場合は物理技、攻撃 < 特攻 の場合は特殊技になる。このとき、攻撃・特攻のランク上昇・下降も物理/特殊判定に影響する。

このカイリューはその性質を活かし、竜の舞を積む前は特殊テラバースト、積んだ後は物理テラバーストを放つ変則両刀アタッカーである。

このギミックには次のような強みがある。

 

①技スペースの圧縮

物理特殊を切り替えられるテラバーストを採用することによって、技スペースが実質5枠になる。強そう。

 

②対受けループ

物理アタッカーの印象が強いカイリューには当然物理受けが繰り出されるのだが、そこに特殊テラバーストを撃ち込むことで物理受けに致命傷を与えることができる。
ダメージ量で特殊テラバーストが発覚した後は特殊受けが出てくるが、竜舞を積んでテラバーストを物理化することで打点が確保できるため、そのまま全抜きが狙える。
具体例を出すと、ハピナスクレベースなどの並びが該当する。

 

③相手の誤認識誘発

物理耐久が硬めのポケモンに特殊テラバーストを撃った際、そのダメージ量から鉢巻カイリューだと誤認されることがあり、そこから相手のプレイングミスを誘うことができる。

 

④天然メタ

これが一番のオモシロポイント。
特性天然のポケモンは相手のランク上昇を無視する。これはテラバーストの物理/特殊判定にも影響する
どういうことかというと、このカイリューが竜舞を積んだ状態で撃つテラバーストは通常物理技になるのだが、対天然においては攻撃のランク上昇が無視されるためテラバーストが特殊技になる
この仕様のおかげで、竜舞を積むタイミングでラウドボーンやヘイラッシャを投げられても、次のターン特殊テラバーストで殴ることができる。Cに大きく努力値を割いているので、H252ラウドボーンは確2、H252ヘイラッシャも乱数2であり、あくびを撃たれなかった場合はそのまま突破が可能となる。

【2023/2/1 23:48分追記】

仕様の説明が誤っているのではとのご指摘をいただきました。

記事執筆時点ではきちんと検証して確認を取っておらず、実戦での経験を基にした憶測を記載しておりました。

そしてご指摘を受けた後仕様検証を試みたところ、私の説明が誤っていることが判明しました。竜舞を積んだ状態のテラバーストは物理判定になり、ランク上昇分は無視される模様です。

誤った情報を記載してしまったこと、大変申し訳ありませんでした。

 

 

正直ネタ寄りの発想という自覚があったのだが、実戦投入してみるとギミックが有効にはたらく場面が予想以上にあり自分でも驚いた。

普通の型に比べるとパワー・耐久は劣るものの、相手を翻弄するポテンシャルは高く、エンタメ性と実用性を兼ね備えたユニークな型だと思うので、ぜひ使ってみてほしい。他の変則テラバースト使いも開拓してもきっと面白いだろう。

 

 

 

マスカーニャ

テラスタイプ:あく
性 格:いじっぱり
特 性:へんげんじざい
実数値:175(188)-171(204+)-90-×-90-158(116)
持ち物:こだわりスカーフ
技構成:トリックフラワー/はたきおとす/けたぐり/とんぼがえり

 

先発要員その1。

相手の高速ポケモンを潰すのがお仕事。はたきおとすの一貫性が高く、補完が取れているサブウェポンに対面操作技もあることを買って採用した。

技構成はフルアタだが、トリックがあったら立ち回りのバリエーションが増えるのになあと思うことがたびたびあったので改善の余地あり。サザンドラ・セグレイブ・ドドゲザンあたりと対面しても困らないようにけたぐりを採用していたが、今ではすっかり警戒されけたぐりケアの立ち回りをされることが多かったので、変えるならここかなと考えている。

対ドラパルトを意識したポケモンであり、実際に何度も1ターン目にドラパルトをワンパンしてイージーウィンをもたらしてくれた。自分がいたレート帯が低かったせいもあるだろうが、襷や耐久振りではないにもかかわらずテラスタルせずに突っ張ってくるドラパルトばかりだったので、スカーフマスカーニャはあまり警戒されていなかったように感じた。

調整意図は、ドラパルトのC252流星群+無振り不意打ちをだいたい耐えるくらいの耐久、H4振りサーフゴーをはたきおとすで確1、最速90族抜き抜き(舞セグレイブ、スカーフコノヨザルあたりを意識)。

 

 

 

 

デカヌチャン

テラスタイプ:はがね
性 格:ようき
特 性:かたやぶり
実数値:161(4)-127(252)-97-×-125-160(252+)
持ち物:きあいのタスキ
技構成:デカハンマー/アイスハンマー/はたきおとす/じならし

 

先発要員その2。

先発で起点を作ってから裏のエースを通すような構築に対して選出する。起点作り要員としての採用が多いポケモンにマスカーニャが弱いため、そこをカバーするというのが採用理由である。

デカヌチャンと言えばステロ撒きの場作り要員のイメージが濃く、かくいう自分もシーズン2序盤はオーソドックスなステロ撒きを使っていた。そこにお遊びでデカハンマーを採用してみたところ、相手が想定していない高火力で対面を倒す動きが思いのほか強く、これに味を占めて技範囲を広げていった結果、ステロアンコ電磁波が消えてフルアタになった。

じならしは挑発されても使えるS操作技であると同時に、ロトムジバコイルなどデカヌチャンに出てきやすい電気タイプを削り裏の飛行テラスカイリューの一環を作れる便利な技である。アイスハンマーガブリアスへの殺意を込めて採用した。実はアイスハンマーだけでは無振りガブすら乱数1発なのでじならしを絡めてあげる必要がある。はたきおとすは身代わりドラパに撃てる技として採用したが、あまり有用ではなかったので補助技でも良かったかもしれない。

普段おとなしいやつが急にキレて暴れ出して手に負えなくて困ったみたいな話があるが、フルアタデカヌチャンはそれに通ずる強さを感じた(?)。

 

 

 

 

ウルガモス

テラスタイプ:むし
性 格:おくびょう
特 性:むしのしらせ
実数値:185(196)-×-85-163(60)-125-167(252+)
持ち物:あつぞこブーツ
技構成:ほのおのまい/むしのさざめき/ちょうのまい/あさのひざし

 

特殊アタッカーへの引き先であり積みエース。
ロトムが隙を見せてしまうサザンドラサーフゴーの対策として採用した。
サザンドラをテラスタルなしで突破したいと思いむしのさざめきを覚えさせていた。虫技と言えど威力90の一致技であり、Wロトムやヘイラッシャなどを削るのに地味に重宝した。

ドラゴンタイプ3~4匹採用がザラな環境でフェアリーテラスタルじゃないウルガは果たして強いのかと採用当初は不安だったが、困ることはさほどなかった。

調整意図は、C177サザンドラの眼鏡りゅうせいぐん耐え、S最速、残りC。数値の上昇割合的に、残り60はB振りの方が良かった気がする。

 

 

 

 

サーフゴー

テラスタイプ:かくとう
性 格:ずぶとい
特 性:おうごんのからだ
実数値:191(228)-×-143(116+)-153-111-125(164)
持ち物:おんみつマント
技構成:シャドーボール/きあいだま/わるだくみ/じこさいせい

 

補完枠。
ブラッキー・キョジオーンが採用理由。こいつがいないとマジで搦め手がどうにもならない。

役割対象に繰り出して悪だくみを積んで全抜きを狙う。低速低火力をいじめる性能は高かったように思うが、積み技で上げられるのはCだけで耐久と素早さは上がらないので、抜き性能は正直いまいちだった。

格闘打点はテラバーストも候補に挙がったが、非テラスタルでも使えることとハピナスへのごり押しがワンチャン可能なことを評価して気合玉を採用していた。言わずもがな安定性はなく精神衛生上よろしくないので、波動弾を覚えてほしい。

調整意図は、準速キノガッサ抜き+2、残りHB。

 

 

選出

・スタンダード

 

 

・対サザン重視、カイリューの通りが悪いなど

 

・対キョジオーン、ブラッキー

@1

 

 

相手によってはカイリューロトムを初手に投げることもたびたびあった。

 

 

戦績

TN:めいろ

勝敗:70勝 33敗

最終レート:2028.823

最終順位:971位

 



 

感想

9世代よく分かんないです。次は500位以内あたり目標で。