SMシーズン6スペシャルレートで使用したパーティの紹介です。
■S6スペシャルレートについて
ルールは通常シングルの使用率ランキング上位15位に入ったことのあるポケモンを使用禁止としたシングルバトルである。
禁止対象は、リザードン,ゲンガー,ギャラドス,ポリゴン2,バシャーモ,ボーマンダ,ガブリアス,ルカリオ,カバルドン,マンムー,ナットレイ,ランドロス,ゲッコウガ,ギルガルド,ミミッキュ,カプ・コケコ,カプ・テテフ,カプ・レヒレの18匹。
■構築経緯
一線級の炎タイプであるリザードンとバシャーモ、物理耐久が高い地面タイプのランドロスとカバルドン、先制技無効のサイコフィールドを展開するカプ・テテフが使用禁止になっていることから、通りが良さそうだと思ったメガクチートを軸にパーティ構築をスタート。環境に多いウルガモスに強くクチートとの相性補完も良いカイリューを2匹目に採用し、ガルーラに受け出しが安定するクレセリアを3枠目に入れたことで、クレクチカイリューという6世代らしい並びがまず出来上がった。
次に、この3匹ではアシレーヌが重く、またキノガッサのキノコの胞子に対して無力だったので、二匹目のメガシンカとしてメガフシギバナを採用。さらに、バナ+クレセに一貫するサザンドラの対策としてアシレーヌを添えた。
最後の枠は、クレセドラン,ブルルドランなどのヒードランが絡む並びを崩せること、シングル環境に比べると止まりにくい積みポケであることから、蝶舞めざ地ウルガモスを採用した。
この6匹で実戦に挑んだところレート1700までは楽に上がれたが、1750あたりで頭打ちになってしまった。その原因として、フシギバナを選出してサイクル戦になったときにフシギバナがあまり相手に負荷をかけられず、ダメージレースで不利に立たされていたことが考えられた。そこでフシギバナと同じ役割を持つことができ、かつサイクル戦において相手の交代先に大きな負荷をかけられるポケモンを探したところ、モロバレルという解答にたどり着き、こいつをフシギバナと入れ替えてパーティ完成とした。
■個別紹介
性格:意地っ張り
特性:威嚇→力持ち
努力値:H236 A252 S20
技:じゃれつく/叩き落とす/不意打ち/剣の舞
メガシンカ枠。かわいい。
力持ちで強化された圧倒的な攻撃力、優秀なタイプ耐性と威嚇による物理耐久上昇に加え、高威力の先制技も持っておりとにかく対面性能が高いポケモン。同じ鋼タイプのメガシンカであり使用率首位のメタグロスと異なり、クレセリアなどの受けポケを崩せたり、舞ったバンギラスを止められるのが良い。
生半可な受けを許さず、一度有利対面を作れれば試合が決まりかねないほどのスペックを持っているが、それゆえにヘイトが高く、相手の先発にはクチートに強いポケモンが出てきやすい。そのためあまり先発には置かず後ろから出すことが多かった。また本構築で重いカイリュー,バンギラスのストッパーを担っていたので、試合中は雑に切ったりせず大事に扱っていた。
技はじゃれつく,不意打ち,剣の舞までは確定。残りは最初ミラー意識で炎の牙を採用していたが、クチートの個体数が想定よりはるかに少なかったので、途中からヒードランやドヒドイデなどへの打点となる叩き落とすに変更した。
カイリュー@こだわり鉢巻
性格:意地っ張り
特性:マルチスケイル
努力値:H196 A252 S60
技:逆鱗/地震/炎のパンチ/神速
元祖600族。種族値・特性・技すべてにおいて優秀なポケモン。今回はシングル環境に比べてドラゴン技でこだわるリスクが低いと考え、積まずとも相手に大きな負荷をかけられる鉢巻型を採用した。調整はテンプレ。
マルチスケイルによって大抵の攻撃は一発耐えられる=出し負けることが少ないためよく先発で出していた。序盤は逆鱗をメインに撃って相手パーティを消耗させていく。場を荒らしたあとはクレセの三日月の舞で復活させてもらって再度暴れたり、削れた相手を神速で一掃したりする。こいつの鉢巻逆鱗はH252ハッサム程度なら高乱数2発で落とせるほどの火力があるので、逆鱗を押して鋼に引かれても一定の負荷を相手に与えることができる。フェアリー引きはどうしようもないが、環境にいたフェアリーのほとんどはアシレーヌとマリルリで、こいつらは後述のモロバレルでケアできるので、多少強気に逆鱗を押しても問題なかった。
シンプルに強く使っていて楽しいポケモンだった。終盤の神速抜きゲーの爽快感は極上。
性格:図太い
特性:浮遊
努力値:H252 B252 S4
技:冷凍ビーム/トリックルーム/三日月の舞/月の光
手っ取り早いガルーラ対策。
相手パーティにガルーラがいたらほとんど選出。たまにメタグロスを受けたりもする。その他、こちらのアタッカーの一匹が極端に相手に刺さっている場合はそいつの回復要員として出していた。
トップクラスの耐久性を持っており突破しづらいポケモンだが、火力はなく積みポケの起点になりやすいため、上記のような明確な理由があるとき以外はほとんど選出しなかった。
モロバレル@黒いヘドロ
性格:図太い
特性:再生力
努力値:H252 B252 S4
変更前に使っていたフシギバナと異なり、催眠という強烈な負荷を相手にかけられるのが特徴。交代先を眠り状態にすることでサイクル戦で味方が殴られる回数を減らし、ダメージレースを有利に進めることができる。眠り粉フシギバナでも同じことができるが、こちらは25%で催眠に失敗するという不安要素を抱えている。交代するだけでHPを回復できる、イカサマでメガメタグロスを2発で倒せる、クチートとの同時選出ができるなどのメリットもあり、今回はフシギバナよりモロバレルの方が優秀だったと言えよう。
努力値振りは腹太鼓マリルリをある程度見れるようにHB特化とした。メガメタグロスの思念の頭突きも耐えてくれるので、怯まず最速起きされなければ胞子→イカサマ×2で対面からの突破も可能。アシレーヌはD無振りでも受けられる。
このルールはコケコもレヒレも使用禁止になっている関係で胞子の通りが良く、胞子対策枠でありながら自ら胞子戦術を仕掛けることができるこのポケモンはとても強かった。
性格:控えめ
特性:激流
努力値:H252 B124 C108 D4 S20
技:泡沫のアリア/ムーンフォース/サイコキネシス/アクアジェット
特殊高火力AT。超かわいい。
環境に多かったサザングロスやウルガモスに強いほか、メインウェポンが音技ゆえオニゴーリやビビヨンといった身代わり絡みの害悪戦術を無理なく対策できるなど、替えの利かない存在である。
調整は、
H-B:A197メガメタグロスのアイヘ+バレパンを両方最高乱数以外耐え
A172メガクチートのじゃれつくを最高乱数以外耐え
A204鉢巻カイリューの雷パンチを確定耐え
C:残りを全振り(実数値11n)
D:端数
となっている。
サイコキネシスは高レート帯で一時期流行っていたモロバレル意識で採用。H252モロバレルが黒いヘドロの回復1回込みで確定2発。ヘドロ無しであればアシレーヌZ+サイコキネシスでほぼ落とせるので安易な受け出しを許さない。モロバレルの個別説明でレーヌは受けられると書いたな、あれは嘘だ。
ウルガモス@気合の襷
性格:臆病
特性:虫の知らせ
努力値:H4 C252 S252
技:大文字/虫のさざめき/目覚めるパワー地面/蝶の舞
強力な特殊積みエース。基本的には他のポケモンで相手パーティを消耗させたあとに出し、蝶の舞を積んで全抜きを狙いに行く。持ち物は行動保証の襷で、ヒードランにエッジをもらう事故をケアできたり、メタグロス対面で岩技を恐れず突っ張れるなどのメリットがある。虫の知らせとの相性も良い。
構築全体でヒードラン入りが重かったのでめざ地を持たせていた。ウルガモス対策をヒードランに一任しているパーティにイージーウィンできるほか、ウツロイドもだいたい返り討ちにできるのが美味しい。大文字は命中不安だが、ポイマ使った技を忘れさせるのが嫌だったので火炎放射ではメガメタグロスやメガヘラクロスが確1にならないので仕方なく採用していた。大文字を外して負けた試合より大文字だからこそ勝てた試合の方が多かったので間違いではなかったと思う。
■立ち回り・その他
初手から高火力を押し付けて相手を消耗させ、頭数・兵力において有利を取りながら詰めていくのが主な勝ち筋。特に決まった選出パターンはなく、さまざまな組み合わせの出し方をしていたので、選出頻度はどのポケモンもほぼ同じだったと思う。
重かったのは鉄壁エアームド入りの受けループと、ウインディやファイヤーあたりの鬼火を撒く物理受け炎。ただそれ以外に対してはまともに戦うことができており、絶対に勝てない並び・ギミックというのもほとんどなかったので、完成度の高い構築を組めたのではないかと思う。またZソラビウルガモスのような初見殺しにあまり頼っていないおかげで再戦に強い点が地味に良かった。
■戦績
TN:めいろ
最高レート:1892
最終レート:同上
最高順位:1位
最終順位:3位